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通信の基礎知識

SIPトランクとは?仕組み・料金・従来回線との違いをわかりやすく解説

SIPトランクは、インターネット回線を使って社内のPBXと電話網を直接つなぐ接続方式です。物理回線の工事なしにチャネル数を増減できるため、拠点追加や在宅勤務にも柔軟に対応できます。仕組みからメリット・注意点、オンプレミス型との選び分けまで解説します。

最終更新:2026年8月6日

SIPトランクとは

SIPトランクとは、インターネット回線を使って、社内のPBX(電話交換機)と電話網を直接つなぐ接続方式です。「トランク」はもともと交換機と電話網をつなぐ幹線を指す言葉で、その役割をIP技術(SIP:Session Initiation Protocol)で実現したものが SIPトランクにあたります。

従来、企業が外線を引くにはアナログ回線やISDN回線といった物理的な回線を敷設する必要がありました。同時に通話できる本数(チャネル数)を増やすには回線を追加する工事が必要で、費用も期間もかかります。SIPトランクはこの部分をインターネット回線に置き換えるため、工事を伴わずにチャネル数を増減できる点が最大の特徴です。

ひとことで言うと

「電話の外線を、物理的な回線ではなくインターネット経由で確保する仕組み」です。電話番号も通話品質もこれまでどおりで、増減の柔軟性とコストだけが変わります。

従来の電話回線との違い

アナログ回線・ISDN回線と比較すると、違いは次のとおりです。

項目アナログ/ISDNSIPトランク
接続方法物理回線を敷設インターネット回線を利用
チャネル増減回線工事が必要(数週間〜)工事不要・短期間で変更可
チャネル単位回線種別により固定(2ch・23chなど)1chから必要な分だけ
拠点の集約拠点ごとに回線契約1契約を複数拠点で共有可能
在宅・リモート拠点外からの利用は困難ネット環境があれば場所を問わない
初期費用回線工事費が発生工事費が不要または小額

なお、ISDN回線(INSネット ディジタル通信モード)はNTT東日本・西日本のサービス終了にともない、IP網への移行が進んでいます。回線の見直しを検討されている場合は、この機会にSIPトランクを比較対象に加えることをおすすめします。

SIPトランクの4つのメリット

1. 必要な分だけチャネルを確保できる

ISDNは2ch・23chといった単位で契約するため、「10ch欲しいが23chしか選べない」といったムダが生じます。SIPトランクは1ch単位で契約できるため、実際の同時通話数に合わせた最適化が可能です。

2. 拠点をまたいで集約できる

本社・支店・コールセンターがそれぞれ回線契約をしている場合、拠点ごとにピーク時に合わせた本数を確保することになり、全体では過剰になりがちです。SIPトランクなら契約を1本にまとめ、拠点間でチャネルを融通できます。拠点数が多いほど削減効果が大きくなります。

3. 在宅勤務・リモートワークに対応しやすい

クラウドPBXと組み合わせれば、自宅やサテライトオフィスでも会社の電話番号で発着信できます。個人の携帯番号を顧客に伝える必要がなくなり、通話履歴の管理も一元化できます。

4. 通話料を下げやすい

SIPトランクは通話料の単価自体が従来回線より低く設定されているケースが多く、さらに1秒単位で課金する事業者を選べば、分課金による切り上げのムダも同時に解消できます。課金方式の違いについては「分課金と秒課金の違いとは?」で詳しく解説しています。

導入前に確認すべき3つの注意点

1. インターネット回線の品質

音声はデータより遅延に敏感です。通話品質を安定させるには、十分な帯域と安定した回線が必要になります。一般的なベストエフォート型の回線でも実用になりますが、同時通話数が多い場合は帯域計算のうえ、回線の増強や優先制御(QoS)の設定を検討してください。

2. 停電・障害時の備え

PBXやルータが停止すると発着信ができなくなります。UPSの設置、携帯電話への一括転送・バックアップ転送の準備をあわせて計画しておくと安心です。

3. 緊急通報・特殊番号の扱い

110番・119番などの緊急通報や、一部の特殊番号は提供条件が回線種別によって異なります。導入前に必ず利用可否をご確認ください。オフィスラインでは構成に応じて事前にご案内しています。

オンプレミス型との選び分け

SIPトランクが常に最適とは限りません。現在の設備と今後の計画によって、次のように選び分けるのが現実的です。

こんな場合おすすめの構成
クラウドPBX・CTIを導入済み/導入予定SIPトランク型
拠点追加・在宅勤務など構成変更が多いSIPトランク型
コールセンターで同時通話数の増減が大きいSIPトランク型
既存のビジネスホン・PBXを当面使い続けたいオンプレミス型
FAXや特殊機器を多数利用しているオンプレミス型(または併用)

オフィスラインはSIPトランク型・オンプレミス型のどちらにも対応しています。どちらが適しているか判断がつかない場合も、現在の構成をお伺いしたうえでご提案しますのでご相談ください。

導入までの流れ

  • 現状のヒアリング:ご利用中の回線種別、PBX・ビジネスホンの型番、拠点数、同時通話数の目安をお伺いします。
  • 構成のご提案とお見積り:SIPトランク/オンプレミスそれぞれの構成と費用をご提示します。ご請求書をお預かりできれば、削減額の試算もあわせてお出しします。
  • お申し込み・番号手続き:番号ポータビリティが必要な場合は、この段階で手続きを行います。
  • 設定・接続試験:PBX側の設定と接続確認を実施します。
  • 切り替え:業務への影響が少ない日時を選んで切り替えます。

クラウド(SIPトランク)構成であれば最短2週間程度、オンプレミス構成は回線工事を含めて約3ヶ月が目安です。

よくある質問

SIPトランクを導入すると電話番号は変わりますか?
ナンバーポータビリティに対応した番号であれば、そのまま継続してご利用いただけます。0AB-J番号(市外局番から始まる番号)のほか、0120・0800のフリーコール番号も引き継げます。番号が変わらないため、名刺やWebサイトの修正費用は発生しません。
既存のビジネスホンやPBXはそのまま使えますか?
SIP対応のPBX・クラウドPBXであれば、そのまま接続できます。SIPに対応していない従来型のビジネスホンの場合は、ゲートウェイ機器を介して接続するか、オンプレミス型でのご提供となります。現在お使いの機器の型番をお知らせいただければ、対応可否をお調べします。
停電や通信障害のときはどうなりますか?
SIPトランクはインターネット回線を利用するため、停電時はPBXやルータの電源確保が必要です。UPS(無停電電源装置)の設置や、障害時に携帯電話へ転送するバックアップ転送の併用をおすすめしています。オフィスラインでは一括転送・バックアップ転送のオプションをご用意しています。
チャネル数は後から変更できますか?
可能です。SIPトランクは物理的な回線工事を伴わないため、同時通話数(チャネル)を必要に応じて増減できます。繁忙期だけ増やす、拠点を追加したタイミングで見直す、といった運用ができます。
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