SIPトランクは、インターネット回線を使って社内のPBXと電話網を直接つなぐ接続方式です。物理回線の工事なしにチャネル数を増減できるため、拠点追加や在宅勤務にも柔軟に対応できます。仕組みからメリット・注意点、オンプレミス型との選び分けまで解説します。
SIPトランクとは、インターネット回線を使って、社内のPBX(電話交換機)と電話網を直接つなぐ接続方式です。「トランク」はもともと交換機と電話網をつなぐ幹線を指す言葉で、その役割をIP技術(SIP:Session Initiation Protocol)で実現したものが SIPトランクにあたります。
従来、企業が外線を引くにはアナログ回線やISDN回線といった物理的な回線を敷設する必要がありました。同時に通話できる本数(チャネル数)を増やすには回線を追加する工事が必要で、費用も期間もかかります。SIPトランクはこの部分をインターネット回線に置き換えるため、工事を伴わずにチャネル数を増減できる点が最大の特徴です。
「電話の外線を、物理的な回線ではなくインターネット経由で確保する仕組み」です。電話番号も通話品質もこれまでどおりで、増減の柔軟性とコストだけが変わります。
アナログ回線・ISDN回線と比較すると、違いは次のとおりです。
| 項目 | アナログ/ISDN | SIPトランク |
|---|---|---|
| 接続方法 | 物理回線を敷設 | インターネット回線を利用 |
| チャネル増減 | 回線工事が必要(数週間〜) | 工事不要・短期間で変更可 |
| チャネル単位 | 回線種別により固定(2ch・23chなど) | 1chから必要な分だけ |
| 拠点の集約 | 拠点ごとに回線契約 | 1契約を複数拠点で共有可能 |
| 在宅・リモート | 拠点外からの利用は困難 | ネット環境があれば場所を問わない |
| 初期費用 | 回線工事費が発生 | 工事費が不要または小額 |
なお、ISDN回線(INSネット ディジタル通信モード)はNTT東日本・西日本のサービス終了にともない、IP網への移行が進んでいます。回線の見直しを検討されている場合は、この機会にSIPトランクを比較対象に加えることをおすすめします。
ISDNは2ch・23chといった単位で契約するため、「10ch欲しいが23chしか選べない」といったムダが生じます。SIPトランクは1ch単位で契約できるため、実際の同時通話数に合わせた最適化が可能です。
本社・支店・コールセンターがそれぞれ回線契約をしている場合、拠点ごとにピーク時に合わせた本数を確保することになり、全体では過剰になりがちです。SIPトランクなら契約を1本にまとめ、拠点間でチャネルを融通できます。拠点数が多いほど削減効果が大きくなります。
クラウドPBXと組み合わせれば、自宅やサテライトオフィスでも会社の電話番号で発着信できます。個人の携帯番号を顧客に伝える必要がなくなり、通話履歴の管理も一元化できます。
SIPトランクは通話料の単価自体が従来回線より低く設定されているケースが多く、さらに1秒単位で課金する事業者を選べば、分課金による切り上げのムダも同時に解消できます。課金方式の違いについては「分課金と秒課金の違いとは?」で詳しく解説しています。
音声はデータより遅延に敏感です。通話品質を安定させるには、十分な帯域と安定した回線が必要になります。一般的なベストエフォート型の回線でも実用になりますが、同時通話数が多い場合は帯域計算のうえ、回線の増強や優先制御(QoS)の設定を検討してください。
PBXやルータが停止すると発着信ができなくなります。UPSの設置、携帯電話への一括転送・バックアップ転送の準備をあわせて計画しておくと安心です。
110番・119番などの緊急通報や、一部の特殊番号は提供条件が回線種別によって異なります。導入前に必ず利用可否をご確認ください。オフィスラインでは構成に応じて事前にご案内しています。
SIPトランクが常に最適とは限りません。現在の設備と今後の計画によって、次のように選び分けるのが現実的です。
| こんな場合 | おすすめの構成 |
|---|---|
| クラウドPBX・CTIを導入済み/導入予定 | SIPトランク型 |
| 拠点追加・在宅勤務など構成変更が多い | SIPトランク型 |
| コールセンターで同時通話数の増減が大きい | SIPトランク型 |
| 既存のビジネスホン・PBXを当面使い続けたい | オンプレミス型 |
| FAXや特殊機器を多数利用している | オンプレミス型(または併用) |
オフィスラインはSIPトランク型・オンプレミス型のどちらにも対応しています。どちらが適しているか判断がつかない場合も、現在の構成をお伺いしたうえでご提案しますのでご相談ください。
クラウド(SIPトランク)構成であれば最短2週間程度、オンプレミス構成は回線工事を含めて約3ヶ月が目安です。
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