毎月届く電話の請求書は、合計金額だけを確認して経理に回している、という会社が少なくありません。しかし内訳を読むと、使っていない回線の基本料や、ほとんど使わないオプションの月額料金が残っていることがあります。電話の請求書に並ぶ項目を「基本料」「通話料」「オプション」「その他の料金」に分けて、それぞれの意味と確認のポイントを法人の電話担当者向けに整理します。
電話会社によって請求書の書式や項目名は異なりますが、法人の固定電話の請求額は、おおむね次の4つのかたまりに分けて読むと整理しやすくなります。
| 区分 | 主な項目の例 | 金額が決まる要素 |
|---|---|---|
| 基本料 | 回線の基本料、チャネル料、番号の利用料、機器の利用料 | 回線数・チャネル数・番号数・台数 |
| 通話料 | 市内・市外、携帯電話あて、国際電話などの通話料 | 通話先・通話時間・課金単位 |
| オプション料 | ダイヤルイン、転送、番号表示、着信拒否などの付加サービス | 契約しているサービスの数 |
| その他の料金 | ユニバーサルサービス料、電話リレーサービス料、工事費の分割、割引、消費税 | 番号数・契約内容・制度 |
このうち基本料とオプション料は「使っても使わなくても毎月かかる固定費」、通話料は「使った分だけかかる変動費」です。見直しを考えるときは、まず固定費のなかに不要なものがないか、次に変動費の課金のされ方が自社の使い方に合っているかを確認する、という順番で進めると効率的です。
直近3〜6か月分の請求書と、可能であれば通話明細(どの番号から、どこへ、何秒かけたか)を手元にそろえてください。1か月分だけでは、季節による通話量の増減や、単発の工事費などの一時的な費用と区別がつきにくいためです。
基本料は、回線や番号を「持っている」ことに対してかかる費用です。どの単位で課金されるかは、利用している回線の種類によって変わります。
基本料で見落とされやすいのは、過去に増設したまま使われていない回線や番号です。たとえば、移転前の拠点で使っていた番号、FAX専用に引いたものの今は使っていない回線、繁忙期のために増やした回線などが、解約されずに残っていることがあります。請求書に記載された電話番号の一覧と、社内で実際に使っている番号を突き合わせてみてください。
使っていないように見える番号でも、警備会社の通報装置、エレベーターの非常通話、POSレジやクレジット端末の通信などに使われている場合があります。解約前に、総務・設備・各拠点の担当者に用途を確認しておくと安心です。なお、ISDN(INSネット)のディジタル通信モードは提供終了の予定が公表されているため、データ通信用途がある場合は「ISDN終了で何が変わる?」もあわせてご確認ください。
通話料は、通話先の種類ごとに単価が設定され、通話時間に応じて計算されるのが一般的です。請求書では「市内」「県内市外」「県外」「携帯電話あて」「IP電話あて」「国際」のように、通話先ごとに分けて記載されていることが多くあります。
| 確認する項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 通話先の内訳 | 携帯電話あての割合が大きいか。固定電話あてより単価が高い場合が多く、営業部門の多い会社では通話料の大半を占めることがあります。 |
| 課金単位 | 「3分ごと」「1分ごと」「1秒ごと」など、何秒単位で料金が計算されているか。 |
| 発信元の番号 | どの番号・どの拠点からの発信が多いか。特定の部署や拠点に偏っていないか。 |
| 月ごとの推移 | 通話料が急に増えた月がないか。不正利用や設定の誤りの発見につながることもあります。 |
同じ通話時間でも、課金単位によって請求される金額は変わります。たとえば1回の通話が平均40秒の場合、3分単位の課金では1回ごとに3分ぶん、1分単位では1分ぶんとして計算されます。短い通話が多い会社ほど、課金単位の違いが通話料に大きく影響します。※ 仕組みを理解いただくための試算です。実際の料金は契約内容や通話先によって異なります。
課金単位の違いと試算の考え方は「秒課金とは?」で詳しく解説しています。
オプション料は、基本の通話機能に追加して契約している付加サービスの料金です。1つあたりの月額は小さくても、回線数や番号数の分だけかかるものが多く、合計すると無視できない金額になることがあります。
オプションは「導入時に念のため付けたもの」や「以前の担当者が契約したもの」が、そのまま継続していることがあります。また、ビジネスホンやPBXの側で同じ機能を持っているために、通信事業者のオプションが重複しているケースもあります。請求書のオプション名を一覧にし、それぞれ現在も使っているか、社内の設備で代わりができないかを確認してみてください。
オプションの名称は通信事業者ごとに異なり、似た名前でも内容が違うことがあります。不明なものは、解約する前に契約先へ内容を問い合わせてください。
基本料・通話料・オプション料以外にも、請求書にはいくつかの項目が並びます。
| 項目 | 内容 | 見直しの余地 |
|---|---|---|
| ユニバーサルサービス料 | 全国どこでも固定電話や公衆電話などを使えるようにするための費用を、電話番号の数に応じて負担するもの | 番号数を減らせば連動して減りますが、単価は制度で決まります |
| 電話リレーサービス料 | 聴覚や発話に障害のある方の通話を手話・文字で仲介するサービスを支える費用で、番号数に応じて負担するもの | ユニバーサルサービス料と同様です |
| 工事費・初期費用の分割 | 回線の新設や移転などの工事費を分割で支払っているもの | 支払いが終わる時期を把握しておきます |
| 機器の利用料 | ルーターやアダプター、ゲートウェイなどのレンタル料 | 使っていない機器が残っていないか確認します |
| 割引 | 長期契約割引やセット割引など | 割引の適用条件と期限を確認します |
ユニバーサルサービス料や電話リレーサービス料は1番号あたり月数円程度ですが、単価は定期的に見直されます。最新の単価は、ご契約中の通信事業者の案内や、ユニバーサルサービス制度の支援機関の公表資料でご確認ください。
また、割引の適用期間が終わったあとに請求額が上がっていることに気づかないケースもあります。前年同月の請求書と比べてみると、こうした変化を見つけやすくなります。
ここまでのポイントを、請求書を見ながら確認できるチェックリストにまとめました。
| 区分 | 確認すること |
|---|---|
| 基本料 | 請求書の番号一覧と、社内で使っている番号が一致しているか |
| 基本料 | 同時通話数(回線数・チャネル数)が、実際に同時にかかってくる電話の数に対して多すぎないか |
| 通話料 | 通話先の内訳で、携帯電話あての割合はどれくらいか |
| 通話料 | 課金単位は何秒ごとか |
| 通話料 | 前月・前年同月と比べて、急に増えている月はないか |
| オプション | 契約中のオプションを、今も使っているか |
| オプション | PBXやビジネスホンの機能と重複していないか |
| その他 | 使っていないレンタル機器や、終わった割引がないか |
拠点ごとに別々の契約になっている場合は、拠点ごとの請求書を並べて比較すると、同じ用途なのに料金が違う、といった気づきが得られることもあります。
請求書の内訳を把握できたら、次は改善の方向性を考えます。使っていない回線やオプションの解約は社内だけでも進められますが、通話料の単価や課金単位、チャネル数の最適化は、契約している回線の種類を見直すことで変わる部分です。
たとえば、複数のアナログ回線やISDN回線をSIPトランクにまとめると、回線の本数ではなく同時通話数(チャネル数)で契約できるため、実際の通話の状況に合わせた構成にしやすくなります。電話代を下げるための具体的な手順は「法人の電話代を削減する方法」で解説しています。
オフィスラインでは、現在ご利用中の電話の請求書をもとに、導入後の費用を無料でシミュレーションしています。料金体系は「オフィスライン」の料金表をご確認ください。削減額は通話時間や通話先によって異なります。
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