NTT東日本・西日本のISDN(INSネット)ディジタル通信モードは終了し、固定電話網はIP網へ移行しました。何が変わり、何を確認すべきか、切り替えの進め方までを実務の観点で整理します。
ISDN(INSネット)には、音声通話に使う通話モードと、データ通信に使うディジタル通信モードの2つがありました。終了したのは後者のディジタル通信モードです。
| 区分 | 用途 | 扱い |
|---|---|---|
| 通話モード | 音声通話・FAX | IP網へ移行して継続 |
| ディジタル通信モード | EDI・POS・監視・回線制御など | 終了 |
つまり「電話が使えなくなる」わけではありません。影響を受けるのは、ISDN回線を使ってデータをやり取りしていた仕組みです。ただし音声側も固定電話網全体がIP網へ切り替わったため、設備や契約の見直しが必要になるケースがあります。
自社のISDN回線を「電話として使っているだけ」なのか、「データ通信にも使っている」のかを切り分けてください。後者の場合は、その仕組みごとに移行先を決める必要があります。
ディジタル通信モードを利用していた代表的な仕組みです。心当たりがあれば、移行が済んでいるか確認してください。
一般的な業務用FAX(G3)は通話モードを使うため、IP網でも利用できます。ただし送信速度の設定によっては通信が不安定になることがあり、機器側で速度を落とす設定が必要な場合があります。
| 項目 | 変化 |
|---|---|
| 電話番号 | 原則そのまま継続できる |
| 音声通話 | 継続。品質は実用上ほぼ同等 |
| 通話料の距離区分 | 距離に応じた区分が撤廃され、全国一律の方向へ |
| ディジタル通信モード | 終了。代替手段への移行が必要 |
| 一部の付加サービス | 提供終了・仕様変更があるものがある |
音声だけを使っている企業にとっては、体感的な変化は小さいのが実際です。むしろ通話料の考え方が変わったことで、この機会に課金方式を見直すと削減余地が見つかりやすくなっています。仕組みは「分課金と秒課金の違いとは?」で解説しています。
音声回線の移行先は、大きく3つに分かれます。
もっとも移行しやすい選択肢です。既存のビジネスホンをそのまま使えるケースが多く、番号も継続できます。拠点数が少なく、構成を変える予定がない場合に適しています。
インターネット回線経由でPBXと電話網を直接つなぐ方式です。物理回線を増やさずに同時通話数を増減できるため、拠点の追加や在宅勤務など構成変更が見込まれる場合に向いています。仕組みは「SIPトランクとは?」をご覧ください。
交換機そのものをクラウド化する方式です。ビジネスホンの主装置が更新時期を迎えているなら、買い替えと合わせて検討する価値があります。詳しくは「クラウドPBXとは?」で解説しています。
EDIやPOSなど、ディジタル通信モードを使っていた仕組みは、インターネット回線経由(インターネットEDI等)やモバイル回線への移行が一般的です。取引先との取り決めが関わるため、相手先との調整を早めに始めてください。
音声のみの移行であれば、SIPトランク構成で最短2週間程度、オンプレミス構成で約3ヶ月が目安です。
回線を切り替えるタイミングは、契約全体を点検する好機です。以下は実際に削減余地が見つかりやすい項目です。
具体的な進め方は「法人の電話料金を削減する5つの方法」で解説しています。
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