在宅勤務が定着しても、代表番号にかかってくる電話のために誰かが出社している、社員が個人の携帯電話で取引先に折り返している、という状況は少なくありません。会社の電話番号のまま自宅で受け、会社の番号で発信するための代表的な3つの方法と、それぞれの向き不向き、導入前に確認しておきたい点を、法人の電話担当者向けに整理します。
メールやチャット、Web会議はパソコンがあれば自宅でも使えますが、電話は事情が異なります。従来のビジネスホンはオフィスに置いた主装置と固定回線が一体になっており、オフィスの外へ持ち出せないためです。その結果、次のような困りごとが起きやすくなります。
在宅勤務の電話対応で目指すのは、「場所に関係なく、会社の番号で受けて、会社の番号でかけられる」状態です。受けるだけなら簡単な方法もありますが、発信まで会社の番号でそろえるかどうかで、選ぶべき方法が変わります。
もっとも手軽なのは、会社の番号にかかってきた電話を社員の携帯電話へ転送する方法です。多くの固定電話サービスには、無条件転送・話中転送・スケジュール転送などの転送機能があり、設備を新しく入れずに始められます。
在宅勤務が一部の社員や一時的な期間に限られる、着信件数がそれほど多くない、といった場合に向いています。
転送の種類や、障害時に自動で切り替わる「バックアップ転送」との違いは「電話のBCP対策」で詳しく解説しています。
交換機(PBX)の機能をインターネット上に置くクラウドPBXでは、スマートフォンやパソコンに専用アプリを入れると、それが会社の内線電話として動きます。自宅でも外出先でも、会社の番号で着信を受け、会社の番号を表示して発信できるのが大きな特徴です。
クラウドPBXで使える番号は、03・06などの市外局番から始まる番号(0AB-J番号)か、050番号かがサービスによって異なります。また、スマホアプリからの発信が会社の番号で通知されるか、110番・119番などの緊急通報ができるかも、サービスの仕様によって扱いが異なる場合があります。今使っている代表番号をそのまま使えるかとあわせて、申込み前に確認してください。
クラウドPBXの仕組みや従来のビジネスホンとの違いは「クラウドPBXとは?」をご覧ください。
オフィスのビジネスホン・PBXを使い続けたい場合は、既存の設備を活かして社外から内線につなぐ方法があります。代表的なものは次の2つです。
機種によっては、VPNなどを経由して自宅のIP電話機やスマホアプリを内線として登録できるものがあります。オフィスの外線をそのまま使えるため、発信時も会社の番号を表示できます。対応可否や必要なライセンスは機種ごとに異なるため、保守業者に確認が必要です。
FMC(固定・携帯の融合)は、携帯電話を会社の内線として使えるようにする携帯電話会社の法人向けサービスの総称です。一般に、携帯電話の回線を使うため通話品質が安定しやすい反面、対応する携帯電話会社・プランに社員の端末をそろえる必要があるなど、条件はサービスによって異なります。
主装置が導入から間もない場合は、リモート内線やFMCで既存設備を活かすほうが無駄が少なくなります。一方、更新時期が近い場合は、同じ費用をかけるならクラウドPBXへの移行もあわせて比較する価値があります。
ここまでの3つの方法を、在宅勤務で重視されやすい観点で並べると次のようになります。実際の可否や費用は、利用するサービスや機種によって異なります。
| 観点 | 着信転送 | クラウドPBXのアプリ | リモート内線・FMC |
|---|---|---|---|
| 会社の番号で受ける | できる | できる | できる |
| 会社の番号で発信 | 多くの場合できない | 多くの場合できる(番号の種類はサービスによる) | 多くの場合できる |
| 社員間の取り次ぎ | 難しい | 内線転送・保留ができる | 内線転送・保留ができる |
| 始めやすさ | 設定だけで始めやすい | サービス契約と番号の切り替えが必要 | 機種の対応や端末・プランの条件確認が必要 |
| オフィスの設備 | そのまま | 主装置が不要になる構成も可能 | そのまま活かす |
「当面は受けられればよい」なら着信転送、「全社的に場所を選ばない働き方にしたい」ならクラウドPBX、「既存設備をまだ使いたい」ならリモート内線・FMC、というのが大まかな目安です。拠点や部署ごとに方法を組み合わせることもできます。
どの方法を選ぶ場合でも、次の点を事前に整理しておくと、導入後の手戻りを減らせます。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 番号 | 代表番号・部署番号・FAX番号のうち、どれを在宅で受けたいか。現在の番号を引き継げるか |
| 同時通話数 | オフィスと在宅で同時に何件の通話が発生するか。回線のチャネル数が足りるか |
| 端末 | 会社支給のスマートフォンか、個人の端末を業務に使うか(BYOD)。紛失時のアカウント停止手順 |
| 自宅の通信環境 | アプリで通話する場合、自宅のインターネット回線やWi-Fiが安定しているか |
| 通話料の負担 | 転送や携帯電話からの発信で生じる通話料を、会社と個人のどちらが負担するか |
クラウドPBXでは、交換機の機能と外線(電話回線)を別々の事業者から調達できる場合があります。外線にSIPトランクを使えば、既存の番号や同時通話数を柔軟に扱いやすくなります。仕組みは「SIPトランクとは?」で解説しています。オフィスラインもSIPトランク型でクラウドPBXと接続でき、0AB-J・050・0120・0800の番号に対応しています。詳しくはオフィスラインのサービスページをご覧ください。
電話・フリーコール・SMS・光回線・クラウドPBXをワンストップでお任せいただけます。現在のご請求書をご提供いただければ、削減額を無料でシミュレーションいたします。