格安SIMの通信エリアを比較!大手キャリアより狭いって本当?

格安SIMの通信エリアを比較!大手キャリアより狭いって本当?
格安SIMのイメージはすっかり良くなりました。
かつてはドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアのSIMより通信品質が低い印象がありましたが、今はそのようなことはありません。
ただ通信エリアに関しては「やっぱり格安SIMは、大手キャリアSIMより狭いようだ」という声があります。
特に田舎や山間部では「格安SIMでは心配」という噂を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
果たして本当に格安SIMの通信エリアには、まだまだ不安があるのでしょうか。

目次

そもそも格安SIMの通信エリアとは

そもそも格安SIMの通信エリアとは
「格安SIMの通信エリア」を解説する前に、そもそも通信エリアとはなんなのか、について紹介します。
通信エリアの基礎知識を持っていると「格安SIMの通信エリア」を理解しやすくなるからです。

通信エリアとはつながる場所のこと

通信エリアとはスマホが使える場所、と考えてよいでしょう。
そして「スマホが使える」とは、スマホとインターネットがつながる状態のことを指します。
スマホが通信エリア内にあるとき、そのスマホで電話やゲームができたり動画を視聴できたりするわけです。

なお、通信エリアのより正確な表現は「スマホなどの通信機器で無線通信ネットワークを利用できる範囲」となります。
この無線通信ネットワークを介して、スマホはインターネットに接続されます。

通信エリアは1)基地局と2)周波数帯(バンド)の2つで決まる

通信エリアが内か外かは、つまりスマホがつながるかどうかは、基地局と周波数帯(バンド)の2つの要素で決まります。

基地局はスマホと無線通信ネットワークをつなぐ役割を果たし、基地局が多ければ多いほど通信エリアは広がります。
基地局とスマホの距離が遠くなりすぎると通信できなくなり、その場所はエリア外になります。
しかし、ある基地局のエリア外でも、その場所が別の基地局のエリア内に含まれていれば通信は続きます。
それで「基地局が多いほど通信エリアが広がる」といえるわけです。

バンドとは、スマホと基地局を結ぶ電波の範囲のことです。
もし自分のスマホが基地局のバンドに対応していないと、たとえ目の前に基地局があっても電波を送受信できないため、スマホはつながりません(通信エリア外になります)。

以上のことから、通信エリアは、

  1. 基地局が存在するかどうか
  2. その基地局のバンドにスマホが対応しているかどうか

の2点によって決まることがわかります。

格安SIM会社は通信インフラを大手キャリアから借りている

基地局を設置しているのも、基地局のバンドを設定するのも、ドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアです。
したがって通信エリアは、大手キャリアによって異なります。
では、格安SIMの通信エリアはどのように決まるのでしょうか。
実は、大手キャリアとは資本関係がない独立した会社が運営する格安SIMの通信エリアも、大手キャリアの通信エリアによって決まります。
なぜなら格安SIM会社は、通信インフラを大手キャリアから借りているからです。
例えば、ドコモの通信インフラを借りている格安SIM会社の通信エリアは、ドコモの通信エリアと同じです。

ただ通信エリアが同じでも、つながりやすさは必ずしも同じではない

通信エリアとつながりやすさは、似ていますが異なるものです。
つまり、通信エリアが同じなのに、SIMによってつながりやすさが異なることがあります。
つながりやすさでは、例えばドコモ自体のSIMが良好なのに、ドコモから通信インフラを借りている格安SIM(以下、ドコモ系・独立格安SIM)が不良になることがあるのです。

ドコモ自体のSIMのほうが、ドコモ系・独立格安SIMよりもつながりやすいのは事実です。
なぜこのようなことが起きるのか、次の章で解説します。

格安SIMと大手キャリアの通信エリアを比較した結果

格安SIMと大手キャリアの通信エリアを比較した結果
同じ通信インフラを使っていても、大手キャリアSIMがつながりやすく、格安SIMがつながりにくくなる理由は、大手キャリアが自社のSIMを優先して通信品質を確保するためです。

大手キャリアは自社のSIMのつながりを優先する

格安SIMは、大手キャリアの回線を借りてSIMサービスを提供しているため、回線の使用において優先度が低くなることが影響しています。
結果として、通信が混雑していると格安SIMは通信速度が遅くなったり、接続が不安定になったりします。
ある通信エリア内で通信できる量には上限があります。
したがってある通信エリアでスマホの利用者が増えると、いずれ上限に達して「誰か」のスマホがつながらなくなります。
その誰かとは格安SIMユーザーなのです。

田舎や山間部は格安SIMが不利~通信インフラが不十分で、より強くつながらなく感じる

「田舎や山間部では格安SIMでは心配」という噂も事実です。
田舎や山間部のほうが、都心部より「格安SIMのほうがつながりにくい」と感じやすくなるのは理由があります。
これはすべての大手キャリアについていえることですが、田舎や山間部の通信インフラは充実していません。
もちろん大手キャリアは全国をカバーしようと、田舎や山間部にも基地局を置くなどの企業努力をしていますが、利用者が少ない場所では投資意欲が低下するのはやむをえないところでしょう。

したがって通信インフラが充実していない田舎や山間部のほうが通信の混雑が起きやすく、そのため都心部より早く格安SIMがつながりにくくなります。
田舎や山間部のほうが大手キャリアによる自社優先が際立ってしまうのです。

独立格安SIMで通信エリアが異なる理由

ここでもう1つ、格安SIMの通信エリアの問題点を指摘してきしておきます。

  • あるドコモ系・独立格安SIMと、別のドコモ系・独立格安SIMの通信エリアは同じ(au、ソフトバンクでも同じことがいえる)
  • 「ドコモ系・独立格安SIM」と「au系・独立格安SIM」と「ソフトバンク系・独立格安SIM」では通信エリアが異なる現象が起こりうる

つまり「格安SIMによって通信エリアが異なる」のは「大手キャリアの通信エリアが異なる」からです。

田舎や山間部でおすすめの格安SIM:ドコモのサブブランドかドコモ系

田舎や山間部でおすすめの格安SIM:ドコモのサブブランドかドコモ系
都心部で通信エリアが問題になることは滅多にないでしょう。
なぜならすべての大手キャリアは、ほぼすべての日本の都心部を通信エリア内にしているからです。
したがって通信エリア問題は、田舎や山間部で起きる、と考えてください。
このことを踏まえて次のことがいえます。

田舎や山間部は一般的にドコモとドコモ系が有利でしょう

もちろん、ドコモSIMとドコモのサブブランド格安SIMとドコモ系・独立格安SIMがつながらない田舎・山間部で、auやソフトバンクがつながることもあります。
それでもなお一般的には、田舎や山間部はドコモが有利、という事実は揺らぎません。

そこで以下では、ドコモのサブブランド格安SIMと、ドコモ系・独立格安SIMを計10種類紹介します。
料金はいずれも税込です。

ドコモの3つのサブブランド格安SIMのサービス内容と料金

ドコモ本体が運営する、ドコモのサブブランド格安SIMにはahamo、irumo、eximoの3種類があります。
3つの違いはおおよそ次のとおりです。

  • ahamoはオンラインで契約をするタイプです。
  • irumoもオンライン・サービスがメインですが、ドコモショップでもサービスを受けることができます。
  • eximoはドコモのサポートがしっかり受けられます。

それぞれの料金プランなどを紹介します。

ahamo

ahamo
ahamoの主なプランは次のとおりです。

プラン 月額料金
30GB 2,970円
110GB 4,950円

ahamoのプランには原則、国内通話1回5分無料とデザリングがついてきます。
またahamoはキャンペーンが多いので、検討している方はホームページで確認してから、気に入った特典があったら契約をするようにしてはいかがでしょうか。

irumo

irumo
irumoの主なプランは次のとおりです。

プラン 月額料金
0.5GB 550円
3GB 2,167円
6GB 2,827円
9GB 3,377円

0.5GBプランは小容量ですが格安です。
これでドコモ直のサービスが受けられるのは魅力的といえます。

eximo

eximo
eximoの主なプランは次のとおりです。

プラン 月額料金
1GB 4,565円
3GB 5,665円
無制限 7,315円

無制限とはいえ月7,315円は少し高い印象があるかもしれません。
ただeximoの場合、契約している通信データ容量を超えても、そのあとの通信速度は最大1Mbpsまでしか落ちないので、「ものすごく遅くなった」という印象は薄いでしょう。

7種類のドコモ系・独立格安SIM

ドコモ回線を使っている、ドコモ以外の会社が運営する独立格安SIMとして7種類を紹介します。

BIGLOBEモバイル

BIGLOBEモバイル
ビッグローブ株式会社が運営しているBIGLOBEモバイルの主なプランは次のとおりです。

月間データ通信容量 音声通話+データ通信 データ通信のみ
1GB 月額1,078円 なし
3GB 月額1,320円 月額990円
6GB 月額1,870円 月額1,595円
12GB なし 月額2,970円
20GB なし 月額4,950円
30GB なし 月額7,425円

音声通話+データ通信は小容量プランしかなく、大容量にするとデータ通信のみになってしまいます。
BIGLOBEモバイルは、ビッグローブ株式会社が提供しているそのほかのサービスと合わせて利用するとコスパが高くなります。
例えばビッグローブの光回線を使えば格安SIMの料金が月220円安くなります。

NUROモバイル

NUROモバイル
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が運営しているNUROモバイルの主なプランは次のとおりです。

月間データ通信容量 料金 条件
20GB(NEOプラン) 月額2,699円 音声通話付き
40GB(NEOプラン) 月額3,980円 音声通話付き
3GB 月額627円 データ通信のみ
5GB 月額825円 データ通信のみ
10GB 月額1,320円 データ通信のみ
15GB 月額1,625円 データ通信のみ
1GB 月額930円 音声プラン付き
5分かけ放題
1GB 月額1,320円 音声プラン付き
10分かけ放題
1GB 月額1,870円 音声プラン付き
かけ放題
0.2GB 月額330円 データ通信のみ
試しプラン

音声通話付きプラン、データ通信のみプラン、音声かけ放題付きプランとバラエティの豊富さがNUROモバイルの特徴になっています。
またソニー系である点もプラスに評価してよいでしょう。
0.2GBは月330円と破格の安さですが、通信品質は必ずしも高くないので注意してください。
NUROモバイル自身が、この0.2GBをお試しプランと位置づけています。

LIBMO

LIBMO
株式会社TOKAIコミュニケーションズが運営しているLIBMOの主なプランは次のとおり。

月間データ通信容量 データ通信と音声通話とSMS データ通信のみ
3GB 月額980円 月額858円
8GB 月額1,518円 月額1,320円
20GB 月額1,991円 月額1,991円/td>
30GB 月額2,728円 月額2,728円

データ通信のみプランもありますが、「データ通信+音声通話+SMS」と料金がほとんど変わらないか、同額です。
この価格差であれば利便性を考慮して、いろいろな通信手段があるほうがよいでしょう。
このほかに、通信速度が200kbpsとかなり遅いのですが、データ通信容量無制限のプランがあり、その料金は月528円です。

IIJmio

IIJmio
株式会社インターネットイニシアティが運営しているIIJmioの主なプランは次のとおり。

月間データ通信容量 音声付き データeSIMのみ データのみ SMS付き
2GB 月額850円 月額440円 月額740円 月額820円
5GB 月額990円 月額660円 月額900円 月額970円
10GB 月額1,500円 月額1,100円 月額1,400円 月額1,470円
15GB 月額1,800円 月額1,430円 月額1,730円 月額1,780円
20GB 月額2,000円 月額1,650円 月額1,950円 月額1,980円
30GB 月額2,700円 月額2,340円 月額2,640円 月額2,680円
40GB 月額3,300円 月額2,940円 月額3,240円 月額3,280円
50GB 月額3,900円 月額3,540円 月額3,840円 月額3,880円

2GBから50GBまで8段階にわけて料金を設定しています。
これなら無駄なく、かつ、不足なくデータ通信を使えるでしょう。
また、光通信を契約すると格安SIM価格が月660円割引になる特典もあります。

J:COMモバイル

J:COMモバイル
JCOM株式会社が運営しているJ:COMモバイルの主なプランは次のとおり。

月間データ通信容量 料金
1GB 月額1,078円
5GB 月額1,628円
10GB 月額2,178円
20GB 月額2,728円

10GBと20GBのプランは少し割高に感じるかもしれませんが、データ通信容量をオーバーしたときの通信速度が最大1Mbpsと、あまり遅くならないレベルなのでやむをえないかもしれません。
ただし1GBと5GBのプランは、データ通信容量オーバー時の通信速度が200kbpsまで落ちます。
遅延にストレスを感じる人は要注意です。

mineo

mineo
株式会社オプテージが運営しているmineoの主なプランは次のとおり。

マイピタ・プラン
月間データ通信容量 音声通話+データ通信 データ通信のみ
1GB 月額1,298円 月額880円
5GB 月額1,518円 月額1,265円
10GB 月額1,958円 月額1,705円
20GB 月額2,178円 月額1,925円

このマイピタ・プランでデータ通信容量を超過すると、その後の通信速度は最大220kbpsまで落ちます。

HISモバイル

HISモバイル
H.I.S.Mobile株式会社が運営しているHISモバイルの主なプランは次のとおり。

月間データ通信容量 音声通話1回6分かけ放題
SMS、データ通信
データ通信のみ
1GB 月額1,050円 月額400円
3GB 月額1,270円 月額580円
7GB 月額1,490円 月額880円
10GB 月額1,840円 月額1,100円
20GB 月額2,090円 月額1,850円
30GB 月額2,970円 月額2,720円

HISモバイルは従量課金制を導入しています。
使ったデータ通信量に応じて料金が毎月変わります。

通信エリアの観点で格安SIMが向いている人、向いていない人

通信エリアの観点で格安SIMが向いている人、向いていない人
通信エリアのことを考えると、どうしても格安SIMは不利になります。
そのため、格安SIMを選択しないほうがよい、といえる人がいます。
その一方で、通信エリアのことを考慮しても、格安SIMと大手キャリアSIMは「誤差の範囲」と感じることができる人もいます。
そのような人はコスパが良い格安SIMを安心して使うことができるでしょう。
そこで、通信エリアの観点から、格安SIMが向いている人、向いていない人を考えてみます。

向いている人

田舎にも山間部にも滅多に行かない人、あるいは、そのような場所に住んでいない人は、格安SIMでも大手キャリアSIMでも、つながりやすさの違いを感じることはないでしょう。
このような人が安さを追求したいのであれば、迷わず格安SIMを選択してみてください。
それで不便を感じることはないはずです。
例えば、自宅のエリアと勤務先のエリアが地下鉄でつながっていて、仕事で出張することがなく、登山、ハイキング、地方巡りといった趣味がない人は、格安SIMでも「通信エリア外に出てしまった」「つながりにくい」といった事態は起きないでしょう。

向いていない人

田舎や山間部に頻繁に行く人、あるいは、そのような場所に住んでいる人には格安SIMはおすすめしません。
通信品質が高い大手キャリアSIMを自分のスマホに刺していたほうが安心できます。
なお、仕事で自分のSIMを使うことがある人も、格安SIMはおすすめしません。
出張先で通信環境が悪化してしまう可能性がゼロではないからです。
例えば、ある都市から別の都市に出張に行く場合、その間に山間部があると、そこに差しかかったときにスマホが使えなくなってしまうかもしれません。

通信エリア以外の、格安SIMを選ぶときの注意ポイント

通信エリア以外の、格安SIMを選ぶときの注意ポイント
この記事は通信エリアにフォーカスを当てていますが、格安SIMを選ぶときに考慮したい要素はほかにもあります。
それは通信時間帯とバンド(周波数帯)です。

通信時間帯

格安SIM会社のなかには、データ通信が混雑する時間帯に通信速度を遅くしているところがあります。
そのような格安SIMを使っていると、例えば、ビジネスパーソンが一斉にスマホを使うランチタイムの正午前後に通信速度が遅くなることがあります。
「とにかくいつでも高速で使いたい」という人は、格安SIMは選択肢から外したほうがよいでしょう。

バンド

いくら近くに基地局があっても、その基地局のバンドに自分のスマホが対応していなければつながりません。
ただし、基地局は一般的に複数のバンドをサポートしているため、まったくつながらない事態はあまり起こりません。
ただ、混雑しているバンドしか利用できない場合、つながりにくい状況になることがあります。

格安SIMの通信エリアについてのまとめ

通信エリアの原則は、同じ通信インフラを使っていれば、大手キャリア系・独立格安SIMでも、大手キャリアのサブブランド格安SIMでも、大手キャリアSIMでも同じです。
ところが、つながりやすさとなると、同じ通信インフラを使っていても、大手キャリア系・独立格安SIMが不利になります。
特に田舎や山間部では、格安SIMと大手キャリアSIMで差が出るでしょう。
したがってスマホを都市部でしか使わない人は、通信エリアの観点からも、つながりやすさの観点からも、格安SIMを使うデメリットは感じないはずです。
このようにスマホをどこで使うかも、SIMを選ぶときの検討要素になります。

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